2009年01月06日
叶わぬ恋としりながら
いつものように親友のプリ-ストのアイシェ・・・私は「アイたん」って呼んでるけどね。そのアイたんと二人でプロンテラに遊びに来ていたの。買い物をする訳でもなくただ歩き回ってお茶をするだけでも楽しい。たまに知らない男の人に声掛けられたりするけれど、んー問題ないかな?何でって?そんな事聞いちゃダメだよ?内緒の秘訣があるんだから。ばらしちゃったら効果なくなっちゃうよ。
と遅くなりましたこんにちは。毎度お馴染みチュニアです。銀髪癖毛のセージ。今年で26歳。子供が1人居る人妻ですw
「・・・チュニ。その挨拶止めたら?」
と・・・なんで?ちゃんと包み隠さず言わないと解らなくなっちゃうよ?初めての人も居るんだし。と隣で私にツッコミを入れているのがプリーストのアイたん。今流行のツンデレって奴らしいですよ。でもツンデレって何だろう?
「・・・ツンデレ言うな!」
ここら辺がツンデレらしいけど。まぁ〜それは良いか。どんな人でも私の親友には変わらないし。
「そう言えば城内に有名なシェフが居てね?その人がお店を出したらしいよー」
アイたんが微笑みながら私を見ながら言った。
「ほへぇ〜マジですかぁ〜」
それは一度行ってみたいな-って思うけど、きっと大人気で並んでるんだろうな〜。それに値段も高そう・・・。どうしてか解らないけど私はコーヒーよりも紅茶の方が好き。色々種類があるしバリエーションによっては味が変わるしね。ってそれを言ったらコーヒーも一緒だけど。ほんのり甘みのある紅茶の方が好き。
私は即座に返事をするのをためらったの。行って見たいけどね・・・。だって・・・露店で売ってるエビチリとかだって結構いい値段するから私じゃ買えないかなぁ・・・って思うし。だって、宮廷の人が作ったんでしょ?材料もそれ相応の物を使ってるって思うのが当たり前じゃないです?例えばフィゲル産最高級茶葉とか〜。
ギルドの皆から「超天然ドジッ娘」の称号を頂いてる位ドジな私。だから出かけると必ず沢山持っていた白ポーションとかもあっという間に使いきってしまって毎回といって良いほど赤字になっているのをアイたんは知っているはず。だから気を使ってくれたのかアイたんは笑顔で
「たまには良いんじゃない〜?使いすぎてもレイムンとびっと兄さんに頑張ってもらえば良いんだし!」
親指を立てて満面の笑みで言った。良いのかなぁ・・・・?
「ほら、そこら辺は気にしないで行くよ!」
「ちょ・・・ちょっとアイたん〜〜」
そう言って私の手を強引に引っ張ってそのお店へと向った。有限実行の彼女。私はどちらかと言ったら迷いに迷うタイプだからとてもありがたい。だからなのだろうね?性格が全くと言って良いほど反対だから仲良くなれるの。同じ性格でもきっと仲良くなれただろうけどね
辿りついたのはプロンテラ城下町の一角。場所は企業秘密で☆
結構落ち着いた感じのオープンテラスのお店。てっきり華やかなお店なのかなと思ったら至ってシンプル。テーブルごとに季節の花が飾られとてもいい感じ。
案の定人は多い。行列が出来る!って訳じゃないけど。そこそこ人の入りは多かった。どうやらつい最近オープンしたらしくてお祝いの花とかも置いてある。来るまでの間張り紙とかも見なかったし多分口コミでここまで広まったんじゃないかな?と言うとのんびりお茶を飲めるのは今だけって言う感じかな・・・?
少し離れた場所でお店を見ていた私達に気が付いたウエイターさんが近づいてきたの。
「いらっしゃいませ。当店にお越しのお客様ですか?」
思わず背筋を伸ばし
「は・・・はい!当店にお越ししました客です!」
「チュニそれ言葉オカシイ・・・」
クスクスと笑っているアイたんとウエイターさん。
「2名様でいらっしゃいますか?ようこそお越しくださいました。席へご案内いたします」
私達はそのウエイターさんの後ろについて席へと進んだ。
席へ到着すると椅子を引いて座らせてくれたの。流石宮廷!と言う感じがしますね。そして私達の目の前にメニューを置いてくれて。
「お決まりになりましたら机の上にある呼び鈴で及びください」
軽く会釈をしてウエイターさんは厨房へ戻っていった。端に置いてある呼び鈴。銀色に輝いていてくもりが無い。
「ちょっと!あのウエイターさん良くない?」
目を輝かせているアイたん。
「結構面白い人だったよねー?」
「面白いじゃなくてカッコいいじゃないの?」
だって・・・カッコいいかもしれないけど。旦那様の方が私は好きだし・・・ねぇ・・?
メニューを開いてみると沢山の紅茶とデザートが書いてあった。
私の知らないのばっかり。どうしよう。全部試してみたいけど・・・・こんなにあったらお腹膨れちゃうよ。ちょくちょく来て全部試してみよう。その方がいい。
取り合えず今日は・・・・
「私ロイヤルミルクティーとチェリーパイ にする〜。アイたんは?」
「ん〜・・・そうねー・・・ミルフィーユと・・・・シナモンティーかな?」
シナモンティー?
私は聞いたことがないお茶。どんな奴なんだろう。ちょっと気になる。ま。それよりも私が頼んだのもどんな感じなのか凄く気になるけどねw
注文してから5分。ケーキと紅茶が届いた。
あ・・・いい香り・・・ミルクティーの香りじゃない・・・と言うとアイたんが頼んだ「シナモンティー」?
何だろう・・・凄く懐かしい香り・・・。胸の鼓動が激しくなるのが解ったの。
「それって、きっと初恋じゃないの?」
「ハツコイ・・・」
初恋・・・誰だったかな…。
お父さん…な訳じゃないし。うーん・・・
瞳を閉じて思い出そうとしても思い出せない。苦い苦い思い出だったのかな。
「私の初恋思い出したよ」
思い出した。私の初恋。そう。きっとあの人の影響でセージになろうと思ったの。
「私の初恋ね?・・・先生なの」
「は・・・?せ・・先生?」
唖然としてる。・・・変な事言っちゃったのかな?深くため息をついて紅茶を飲みだしたアイたん。やっぱり私変な事言ったのかな・・・?私の心配をよそ目にケーキに口をつける彼女。彼女の緑色の瞳が潤んだ。とても幸せな表情をしている。
「で・・・その先生って誰?」
一口食べて紅茶を飲んだ後目を輝かせながら私に問い掛けてきた。
「先生ってねー・・・」
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先生って言うのは私のママとパパが居たギルドのメンバーの教授さん。海のような青い綺麗な髪の色をした人。少し垂れ目でとても優しそうな表情。そして視力が悪いのか・・・いつもミニグラスを付けていた。歳は知らないけど、ママよりは年下なはず。だから・・・多分・・・私の10〜15歳位差のある人じゃないかな?
ママとパパは時折ギルドの人達を家に呼んで皆でご飯食べてたりしてたの。その中に勿論先生も居た。初めて会ったときはただ「お兄ちゃん」ってしか思ってなかったと思う。
とある日。先生が家に遊びに来てママとパパの手が離せなくて居間で待っててもらった時の事。私は本を読んでいたの。その時確か・・・私は10歳位?もう16年も前になるんだね。としみじみ思ってしまう。
読んでいた本っていうのがママのお部屋からこっそり持ち出した魔道書。勿論10歳の私じゃ解る訳がないけれど絵本とかより面白かったから読んでいたの。
その時解らない字と意味の言葉が出てきてね・・・。ママに聞こうにも忙しそうだったし。人見知りしがちな私は恐る恐る先生に声を掛けたの。
「お兄ちゃん。これ・・・なんて読むの?」
持っていたティーカップを置いて私に微笑んでくれた先生。あの微笑が忘れられない。(そう言ってさっきまで忘れてたんだけどね)
まるで天使でも見ているような微笑。この時恋してしまったんだと思うんだ。
先生は私の事を手招きして・・・。先生の横に座った私。
「これはねー・・・」
10歳の私でも分かりやすく教えてくれた。ママは教えるのが苦手!と言ってたから聞いてもたまに解らない事があったんだけど。
「お兄ちゃん凄い!」
「それはね?俺もこれを学んだからね」
そう言って他のことも教えてもらった。
「あ・・・待たせてごめんね?って・・・チュニ何やってるの?」ママが居間に来た。そして私と先生を見てびっくりしていたんだ。絵本とかじゃなくてウィザードとかセージの人が読む本を二人で読んでいたのだから。
「・・・・。チュニ・・・お勉強楽しい?」
半分呆れた顔をして私に問い掛けるママ。正直お勉強は好きじゃないけど、先生に教えてもらうんだったら頑張れる!そんな気がしたんだ。
「お兄ちゃんね?凄く解りやすいのーw」
「そう・・・それじゃ、解らない事あったら教えてもらいなさいね?一応お兄ちゃん教授だから」
「エルさん一応ってなんですか・・・」
先生の問に笑っている。
「だってー。ギルドに入ってきた時は右も左も解らなかった子が今じゃ私達より上よ?って・・・お願いしちゃっていいの?」
ママは申し訳なさそうに先生に言った。
「僕は全然構わないですよ。それに教えるってことは俺自身の復習にもなりますし。」
私の頭を優しく撫でてくれた。そこから私は「お兄ちゃん」と呼ばずに「先生」と呼ぶようになったの。
そんなこんなで約半年が過ぎた。
一番最初の先生に教えてもらう切欠になった魔道書は読み終わったので、先生が時間のある時、お家に遊びに行って先生の本を借りて勉強をした。先生が持っている本は大半はセージ・プロフェッサーの学ぶ書籍ばかりだったの。だからかな?先生みたいになりたいって思ってセージの道を選んだのは。少しでも先生に近づきたいって幼いながら思っていたのかもしれない。きっとこれって恋だったんだろうな。
「ママー。先生の所行ってくるねー?」
「あんまり迷惑かけちゃダメよー?彼だって忙しいんだから」
「大丈夫だよー!」
私は先生から借りてる本を持って家を出たの。私のお家から先生のお家まで歩いて5分位。早く会いたいって言う思いで毎日走って行ったのは憶えているの。
先生のお家に到着するとドアをノックして
「先生こんにちわです〜」
私の声にいつも答えてくれた。
「あぁ。チュニちゃん。開いてるから入っておいで〜」
そう言われ私は先生のお家に入った。
先生のお家の中は本ばかりで壁が全然見えない。と言っても重ねてある訳じゃなくて廊下の壁自体が本棚になってる感じ。
地震が起きたら大変な事になりそうだけど・・・それは気にしちゃいけないね。
その本棚の廊下を通り過ぎ先生の居る部屋に入ると、机に向かってなにやら書き物をしている先生が居た。きっとお勉強してるのかな?
集中しているように見えて声を掛けづらかった。
「・・・・いらっしゃい。チュニちゃん。もう直ぐ終わるから座って待っててね」
・・・先生のお勉強が終わるのが凄く待ち遠しかった。そしてその時間は私に一つの決心させるには十分だったんだ。
「お待たせしました。ごめんね。ずいぶん待たせちゃって」
「ううん。全然大丈夫ですよー」
私はそう言って先生の横に座った。先生の右横。それが私の定位置。それから約1時間、みっちり教えてもらうのが日課。私が質問をする度に微笑みながら私を見る先生。ど・・・どうしよう!凄く胸がドキドキする。
一時間の勉強時間が終わり、ちょっと休憩。私は本を片付け高まる鼓動を必死に抑えつつ先生を見た。勇気を出して告白・・・・するんだ。
大きく深呼吸をした私。急に私が深呼吸するものだから先生はびっくりしながらも少し心配そうな顔で私を見ていた。
「チュニちゃん大丈夫?何処か痛いの?」
私は首をふった。痛くないの・・・。あぁ・・・ある意味胸が痛いのかw
「あ・・・あのね・・・・先生?」
「ん?どうしたの?」
もう一度深く深呼吸をして・・・
あぁ〜・・・頭が朦朧と・・・。違う。頭に血が上っていくのが解る。だって顔が凄く熱かったから。
「私ね・・・・先生の事が・・・好き・・・・」
やっと言えた!歳の差がありすぎるからダメって解っていても。どうせ私の事なんか妹ってしか思ってないって解っていても言わずには居られなかった。まだ、右も左も解らない子供だけど、ちゃんと恋だってするんだよ?
私が思い切って告白してから暫く沈黙が流れた。呆れてるのかな・・・?困ってるのかな?
「・・・俺もチュニちゃんのこと好きだよ?」
・・・・?へ?今先生なんて言ったの・・・?好きって言ったよね!
って言うと両思いなの?凄く嬉しくて先生の胸に飛び込んだ。先生は私の事を抱きしめてくれた。力が抜けて全身身を任せてしまうような。そんな感じ。身も心も蕩けてしまいそう〜。
「先生大好き!」
とても嬉しくて・・・。私は先生の頬にキス・・・・しちゃった。先生の頬はとても熱かったの。
先生にキスしてびっくりしたのかな?私から少し離れた先生。いつもと違う表情をしていた。怒ってる訳じゃない。凄く真剣な顔してた。
「チュニちゃん・・・」
先生は私の顎に手を掛け、まっすぐ先生を見るように私の顔を少し上に向かせるようにして・・・・
!先生?・・・・。先生の顔が・・・近づいてきた!私はゆっくり目を閉じてしまった。
先生の柔らかい唇が・・・私の唇に重なった。
私のファーストキスは・・・先生だったんだ。
唇を話した後先生は顔を赤くしていた。私だって恥ずかしかったよ。
私と目線を合わせないようにして・・・・(恥ずかしかったんだよね?きっと)
「チュニちゃん・・・もう遅いから今日は帰ったほうがいいよ?」
でも・・・・
「帰りたくないよー・・・」
「ダメ。お父さんもお母さんも心配するでしょ?」
「はーい・・・」そう言うと私は渋々先生から離れ荷物をまとめた。
帰り支度を済ませた私は先生に玄関まで送ってもらって
「それじゃ、先生。また明日です―お休みなさいです」
満面の笑みで先生に言ったの。
・・・?先生から返事が返ってこない。何かしたのかな?
不安になって私は眉間に皺を寄せ、首を傾げながら問い掛けたんだ。
「せ・・・先生?」
「あ・・・あぁ・・・おやすみね」
いつもの笑顔に戻った。良かったw
安心した私はそのままお家に帰った。
次の日の朝。いつものように先生のお家に行こうとしたらママに引き止められたの。もしかしてばれちゃったの?
「チュニ。今日彼用事があって、居ないらしいよ?」
「エー・・・・。そんなぁ・・・・」
「彼にだって用事があるんだから諦めてね?」
「はーい。」そうして私はその日行くのを諦めた。
次の日になって今日こそは!と思ったら今日も引き止められた。引き止められたと言うより・・・。
「なんか、とっても大変なお仕事とかで・・・多分攻防戦じゃないかな・・・?それで街移らなくちゃいけなくなったらしいのよ」
嘘・・・・そんなの聞いてないよ!先生何も言ってないよ!
「だから、今度行く時はママかパパと一緒だね?」
「嫌だよー!一人で行く!」
私は駄々をこねた。だって。パパとママと一緒じゃキス・・・出来ないよ。
「チュニ・・・?とても遠い所だから1人じゃ行けないのよ?」
そ・・・・そんな・・・先生ずるいよ・・・。折角両思いになれたと思ったのに。先生にWISしたくても『先生の名前』を私は知らない・・・・。
ママとパパはギルドの集会とかの時に会ってたらしいですけどね。
それ以来私は先生に会う事もなく・・・・。
私の初恋は終わった・・・・。
やっぱり初恋なんて・・・・こんなもんなんだよね。
「ほへぇ・・・初恋の人が10歳以上年上ねぇ」
紅茶を全て飲み終えたアイたんはにんまりと笑い私を見ている。
「しかも初恋&ファーストキスが10歳ねぇ・・・」
さっき以上ににやけてる。う・・・言わなきゃ良かった
「チュニちゃんも結構やるのねぇ・・・・w」
「もういい!アイたんの意地悪!」
「あぁ。ごめんごめん。でも会えないのは寂しいね?」
恋はあの時止まってしまったけど、憧れているのは事実。そしてもう一度会いたいのも事実。
私も残りの紅茶とケーキを食べ終えた。
「会えるならもう一度会いたいなぁ」
「きっとまた会えると思うよ〜?キャッキャ(゚∀゚)」
その根拠は何処から出てくるんだろう?
私達は店を出たの。うん。美味しかった。また来よう。
それから時折時間を見てこの喫茶店には行っている。アイたんには内緒で一人で来る事が結構多かったりするの。
何となく懐かしくて・・・。近くに先生が居るような気がするから。私はあれ以来ここではシナモンティーを頼んでいるの。別に・・・今も好きで、恋してるってことじゃないの。
そりゃ、好きだけどもっと大事な感じ・・・?ん〜説明できない・・・。たまにふと思い出したい時とかないです?そんな感じ・・・。勿論今先生が来て「好き」と言われても戸惑いはするけど。旦那様を愛してるからね・・・。
でもどうしてこんなに思い出に浸ってるのか私のも分からない。この春の陽気がそうさせるのかな?
花壇を飾る色とりどりの花の色。春風と共に動いていく雲
セピア色へと変わっていく幼いころの思い出。また逢えるならもう一度先生に会いたい…。
時間もそろそろお昼を周ってお昼休憩に来る騎士団の人達や教会の人達。これ以上長居しててもお店の人に迷惑だしな。と思った私はお店を離れようとした。
・・・ふと横切る人。
何処となく先生に似ていた。金髪碧眼。ミニグラスの教授さん。
そんなありきたりな話がある分けないよね。そう思いながらも気になるその人。
再び席に戻り少し様子を見ることにしたの。その人の席は私が座ってる位置の丁度正面。
1人で席に着き本を読んでいた。
胸が張り裂けそう。教授さんって少ないから見つけやすいけど。ま・・・まさかそんな訳ないし。
私がずっとその人を見ていたから不振に思ったのかその人が近づいてきた。ど・・・どうしよう!
「どうかなさいまし・・・。チュニ・・・ちゃん・・?」
う・・・嘘・・・本当に先生だったみたい。偶然って言うか本当にこんなありきたりなことあっていいの?
「・・・先生・・・?」
お互い動揺が隠し切れなかった。それもそうだよ。役10年ぶりだもん。心なしか顔が熱いのが解る。どうしよう。落ち着かないと。
話したい事が多いのにこう言う時に限って話が出来ない。「どうして急に居なくなったの?」とか「元気だったですか?」とか「結婚したんだよ?」とか・・・。
「チュニちゃん。お久しぶり。元気そうだね?」
先に口を開いたのは先生だった。聞いてて心地よい重低音の声。とても優しそうな目。引き込まれてしまいそうだ。
「お久しぶりです・・・。」
重い空気が流れる。正直辛い。
「久しぶりだし・・・少しお茶でも・・・するかい?」
そのまま私の居た席に先生が座り二人でお茶をすることになったの。これって・・・浮気には・・・ならないよね?
「先生・・・?あの時のこと・・・憶えてるです?」
無意識のうちに意地を張って大人ぶっていた自分が破ける。今だけ子供でいさせて。
先生は恥ずかしそうに頷いた。
「あぁ・・・う・・・うん。憶えてるよ・・・」あ
の時のこと。私が初めて恋をしてキスした時のこと。そしてその次の日から先生が居なくなった事。まるで昨日のことの様に思い出す。
「私・・・セージになったんだよ?先生みたいになりたくて。」
「あぁ。ずいぶん成長したんだな・・・?見違えたよ。綺麗にもなったし」お世辞かもしれないけどすんなり受け止められた。結構先生って直球投げる人だったから。
「せ・・・先生?」
「ん・・・?」
私が何よりも一番聞きたいこと。聞きたかったこと。これを聞かないときっと後悔する。心を落ち着かせて。
「先生が・・・居なくなって寂しかったの。私の事が嫌いになったのかと思ったの」
先生は困った顔をしながらもちゃんと答えてくれた
「嫌いになった訳じゃないけど。けど・・・ギルドで揉め事とか色々あってな・・・。つい・・・な・・・。幼い子に・・・しかも副マスタの娘に手を出したってなったら・・・な。勿論チュニちゃんのことは好きだよ。」
パパはギルドの副マスターだったらしいの。全然解らないけどね。
先生の言葉はとても痛かった。
私の事恋愛の「好き」じゃなくてただパパとママの娘だから。
大事だから「好き」ってしか思ってなかったって事。
恋愛感情を持った訳じゃなく、ただキスしてくれたって事が・・・心が。しかも、ついカッ欲情して・・・?欲情したのかは解らないけど、ありえない事をしてしまった。そんな感じだったのかな。
も・・・もう解らない・・・私は先生にとってなんだったんだろう。
幼いころの恋心はこの時ガラスの様に砕け散った気がする。
やっぱり初恋って・・・叶わない恋なんだよね。
それでも私は良かった。先生と話をするのが。教えてもらうのが良かったのに。ただ先生の側に居れるだけでよかったのに。幼くたって恋はするんだよ?
「先生・・・私だってもう大人だから・・・。今度時間があるのであればお出かけ・・・しましょうね?」
ただの社交辞令かもしれないけど。それでも・・・今度は大人として普通に話をしてみたいな。無論、恋愛とかそう言うのはなしで、普通に知人として。師として色々教えて欲しい事もある。
今日・・・話が出来てよかった。
これで10年の片思いが心の奥底に消えていったのだから。
私は立ち上がり席を離れて・・・・
座っている先生の後ろから抱きついたの。
パパごめん・・・今日だけ・・・。許して
「先生・・・大好きだったよ」
無意識のうちに涙がこぼれたの。そして私は・・・先生の前から立ち去った。
さよならだけは言わない。先生にあえて幸せだったから


